2013/05/01 人生も経営も原理原則はシンプルがいい

京セラKDDI設立。新時代経営リーダー稲盛和夫の経営哲学生き方に学ぶ/外食業界に生きる人間として「人生も経営も原理原則はシンプルがいい」

人間性の遺伝子は三十億という気の遠くなるような数の塩基配列からできているそうですが、それを表す文字の種類はたった四つにすぎません。真理の布は一本の糸によって織られている。したがってさまざまな事像は単純にすればするほど本来の姿、すなわち真理に近づいていきます。そのため、複雑に見えるものほどシンプルにとらえ直そうという考え方や発想が大切なのです。これは人生の法則といえますが、経営にもそのまま当てはまることです。


人生も経営もその根本の原理原則は同じで、しごくシンプルなものです。人からよく経営のコツや秘訣を聞かれることがあるのですが、私の持論を述べると、みなさんけげんな顔をされることが多い。そんな簡単なことは知っている、そんな原則的なことで経営ができるのかというわけです。前はこうだったから、こうすればいい、という経験則の蓄積もない。嘘をつくな、正直であれ、欲張るな、人に迷惑をかけるな、人には親切にせよそういう子供のころ親や先生から教わったような人間として守るべき当然のルール、人生を生きる上で先験的に知っているような、当たり前の規範に従って経営も行っていけばいい。


人間として正しいか正しくないか、よいことか悪いことか、やっていいことかいけないことか。そういう人間を律する道徳や倫理をそのまま経営の指針や判断基準にしよう。経営も人間が人間を相手に行う営みなだから、そこですべきこと、あるいはしてはならないことも、人間としてはずれたものではないはずだ。人生も経営も、同じ原理や原則に則して行われるべきだし、またその原理原則に従ったものであれば、大きな間違いをしなくてすむだろう。それゆえ迷うことなく正々堂々と経営を行うことができるようになり、その後の成功にもつながっていったのです。


特に飲食の世界は人が人を介してビジネスが成立するものだけに、企業が大きくなればなるほど複雑な組織体制になりがちであることだ。しかし組織は大きくなればなるほどトップの指示や命令が末端まで伝わりにくいという難点や効率化するための利点にもなるものの、組織体制の作り方で逆にマイナスに動くことも多々あることを忘れてはならない。


企業が大きくなると種々な作業が増加してくるものであり、担当者を増やすことによって効率的な組織体制にするということが常であろう。しかし組織を大きくすることによって経営側の立場として店の状況や現実がわからなくなることは売上低下に繋がることもあることを理解しておかなければならない。人間としての生き方や仕事への取り組む姿勢にせよ大切なことは、何事にも正直であれということだ。その立場が経営側、現場の店長の立場は変わっていても本質は大きく変わるものではなく、人間は自分の目標達成や成功に向かって努力を惜しまないことだ。


とかく人間は目標に対して迷いや士気が落ちると、複雑に物事をしてしまう傾向がある。その根本はシンプルにもかかわらず、複雑且つ難しくしてしまい、もっと解決策を見失ってしまうという悪循環に迷い込んでしまう。

あくまで経営も仕事も人間が人を介して行うことはなにも変わるものではなく、複雑に考える必要はないということだ。むしろ率直に物事の原理原則に従い自分をコントロールすることが何事に対してもうまい方向性を見出せる糸口に繋がるポイントがあることを理解しておくことだ。


メールマガジン 発行者 AFD CONSULTANTS 竹谷稔宏