2014/02/01 「ただいまこのときを必死懸命に生きる」

京セラKDDI設立。新時代経営リーダー稲盛和夫の経営哲学生き 方に学ぶ/外食業 界に生きる人間として

あふれるような熱意をもって、ど真剣に懸命にいまを生きること。

目の前のことに没頭して瞬間、瞬間を余念なく充実させること。

それはまた明日や将来を切り開くことにも通じています。

これをいうと、驚かれる方が少なくないのですが、私は長期の経営計画というものを立てたことはありません。もちろん経営理論に基づいた長期の経営戦略などの重要性は、承知しているつもりです。しかし今日を生きることなしに、明日はやってきません。明日もわからないのに、5年先、10年先のことがはたして見通せるでしょうか。

まずは今日という一日を一生懸命必に、過ごすことそれが大切だと思うのです。どんなに壮大な目標をあげてみても、日々の地味な仕事に真剣に向き合い、実積を積み重ねていかなければ成功はありません。偉大な成果は堅実な努力の集積に他ならないのです。先の功をいたずらに焦らず、今日一日を懸命に、真剣に生きるこ とによって、おのずと明日も見えてくる。そうした充実した一日の連続が五年たち、十年たつうたに大きな成果に結実する。私はそう考え、肝に銘じながら、これまで経営をしてきました。その結果、「今日を完全に生きさえすれば明日が見える」ことを、人生の真理として体得することができたのです。

そもそも私たちの生命、私たちの人生は、価値ある偉大なものです。その価値ある人生をただ無為徒然に過ごすのはもったいないことである以上に、宇宙の意に反した生き方でもあります。天地自然は、この宇宙で必要であるからこそ、私たちを存在させています。だれ一人、何一つ偶然に生を受けたものではなく、したがってムダなものはこの世にはいっさいありません。

大宇宙から見れば、ひとりの人間の存在などほんとうにちっぽけなものかもしれません。しかしどれほど小さなものであろうとも、我々はみんな必然性があってこの宇宙に存在している。どのように小さなとるに足らない生命といえども、また無生物であろうとも、宇宙が「価値ある」と認めているからこそ、存在しているの です。いまこのときを懸命に生きる、自然の小さな営みも、その大切さを無言のうちに私たちに教えています。

まさに自然界では、すべての生物が与えられた時間、限られた一瞬一瞬を精一杯「ど真剣に」生きているのです。「いま」を必死懸命に生きることで、小さな生命を明日へとつなげている。であれば私たち人間も草花に負けず、一日一日をないがしろにすることなく、「ど真剣に」生きていかなくてはなりません。

それが私たちをこの世に生み出し、その生を価値あるものとしてくれた宇宙との約束ごとでしようし、人生というドラマを思いどおりに充実して生きるための必要条件でもあると思います。

外食業においても、来年、その次の年という状況は不透明であり、混迷を深める将来の戦略を持つことは、とても難しい時代になってきていることは周知の通であろう。しかし企業としては、しっかりと現実を分析し、会社の方向性を中期的、長期的に検討する企業とむしろ常にその時代に変化に対応する戦術をとる企業の大きく二つの企業に分かれていることだ。

現在の経済状況や生活者のライフスタイル、今年流行る料理など何がヒットするのかなどわからない時代であることは明白であり、現実明日のことは、よく理解できないというのが企業のトップ、スタッフの悩みの一つであることは疑うことの無い事実であろう。

今後の外食業界の戦略、戦術や方向性を模索する上では、むしろ後者の考え方の方が適している手法かもしれない。

つまり外食業界も今年、来年どのように売上は推移するとか、生活者が支持する料理や商品は何であるのかなど、不透明な部分が多いばかりか現在流行っている料理や戦術がいつまで通用するのか理解できない時代であることを忘れてはならない。

むしろ先行き不透明且つ混迷の時代であるからこそ、しっかりと、短期戦略、長期戦略を計画することがこれまでの企業理論であったものの、これからは、いかに時代の変化に即に対応する体質や戦術を具体的に構築していることが、企業として衰退しない対応策かもしれない。

それでなくとも外食業界は、業種・業態によっても好調な業態と衰退している業態と棲み分けがはっきりしてきている時代であることを配慮すれば、どれだけ時代の変化に対応した柔軟的、戦術や戦略を打ち出せるかが大切であることは明白であろう。またそれを実銭するためには、硬直しがちな企業組織を柔軟な組織体質へと変化することが次の時代への活路としての一歩に繋がるはずだ。

日々を「ど真剣に生きる」ということは、とても意味ある言葉であり、どれだけ企業のスタッフが自分の仕事に対する役割や使命に邁進しているかの尺土でもあろう。ただ単に時間を費やしているのと、常に真剣に問題意識を持ち、真剣に業務に取り組むのでは、その成果は大きく異なってくるということを理解しなければならない。

先行きが見えない時代であるからこそ、企業としての体質を変える勇気を持つことが活性化につながるはずだ。「ただいまこのときを必死懸命に生きてみよう」


メールマガジン 発行者 AFD CONSULTANTS 竹谷稔宏