2013/12/01業態開発を成功させるための戦略を持て「業種・業態に共通するポイント」老舗店の名声だけでは集客できない時代へ/竹谷稔宏

生活者の外食に対するライフスタイルの変化が意味するものとは何か
いまや外食業界は低価格競争から高付加価値競争へと転換の時代に突入しているという現実を受け止めることが大切だろう。いうまでもなく人気ある業態はまさに生き残り、逆に生活者に支持されない業態は衰退を余儀なくされていく厳しい「生き馬の目を抜くという」時代になっていることだ。

近年特に注目されているメニュー詐称表示疑惑など有名ホテルや老舗の飲食店さえも、経営の苦戦を思わせる食材産地詐称までして集客や利益率を維持するという暗中模索の迷走に入っていることを忘れてはならない。これはやってはならないこと、言語同断、生活者を馬鹿にしていることに他ならない。

本来の飲食店のあり方とは、生活者に信頼の美味しい料理を提供し満足されてこそ、ビジネスとしての目的を達成できるはずであるのも関わらず、付加価値ある詐称表記をしてまでも、集客率を上げなければならないという現実に、企業の経営の厳しさを見ることができるはずだ。

つまりこれからは生活者にあらゆる視点で支持されない飲食店は衰退を余議なくされるだろうし、時代の変化や生活者のライフスタイルに適合していかなければ生き残っていけない時代になっていることは確かであろう。
その意味では、生活者が外食に対して何を求めているのかあるいはどのようなニーズや嗜好を持っているのかを知ることは新しい時代の業種・業態作りの大きなヒントになるはずだろうし、特に外食市場に影響をもたらす女性客の動向には、常に食への支持や流行を分析するアンテナを巡らしておく必要があることだ。
所謂今後の時代に生き残るためには、生活者のニーズや嗜好に適合できる業態企画づくりができるか否かで飲食店の盛衰を大きく左右されるといっても過言ではないだろう。つまり生活者の外食への具体的な嗜好を掘り下げていくことが経営継続できる業態開発に繋がることを忘れてはならない。
以下に箇条書きで注目しなければならないポイントを挙げておこう。
価格の高低に関わらず料理は美味しいことが基本であること
1高付加価値創造をできない飲食店は衰退する

店独自としてのこだわりや生活者の満足感を満たすものがなければ飲食店は成立しないこと「おもてなしの心」
2高付加価値創造の意味とは何か
1) 料理やサービスに対する高付加価値をいうこと
ただ単に料理をテーブルに運ぶことはサービスではないと思っていること、
2)生活者がこの店を利用して得をしたなと実感できること
客の心理として支払う対価に対して料理が美味しいあるいはサービスがいきいきしているなど清算時に満足できる気持ちになれること
3) 来店する客の気持ちになってサービスできること
客層の来店するゲストに合わせて個々のサービス対応ができること
4) 目配り、気配り、心配りが自然にできること
5) 支払う金額と同等の対価では満足しないこと
満足とは人それぞれに異なるものの10人中、90%が支持していなければ満足しているとはいえないこと
6) QCSC+Vの総合力が無ければ経営存続できないこと
クオリティー品質・コスト価格・サービスホスピタリティー・清潔さ・付加価値のトータル的総合力こそ、顧客満足であり飲食店経営継続に繋がるキーワードであること
7)店独自の高付加価値をどのように表現できるか
同業他社と同じ同様な内容では勝ち残ることはできない、金太郎飴化する業態は衰退する時代、総合的に訴求できるオリジナル性、高付加価値、料理、価格、サービスにポイントを置くこと
もっと生活者の外食に求めるものを具体的化すると付加価値項目は増加していく、生活者とは常にわがままなものであること

3生活者の外食に求めているものを把握する
1)支払う対価に対して満足できるサービスを受けたいこと/サービスとはホスピタリティー、目配り、気配り、心配り
2) 料理が安くてもまずい料理は食べたくないこと/低価格でも美味しくなければリピートはしないこと
3)安全な食材を使った料理を食べたいこと、産地表示を明確化してほしいこと
近年の中国餃子毒入り事件を皮切りに日本の老舗料亭の食材改竄疑惑、賞味期限再利用など特に女性客の視点が強くなってきていること
4) 健康的でヘルシーな美味しい料理を提案してほしいこと
女性客の健康志向の高まりや益々志向が強くなるっていること
5) 常に生活者の時代の変化に対応したフードビジネスの提案がほしいこと
低価格且つ美味しい料理を提供する飲食店、ファミリーで気軽に利用できるリーズナブルな業態、飲食店であること
6) 季節の変わり目には季節感を感じる美味しい料理の提案をしてほしいこと
お勧め料理には常に季節感を感じる食材を使用するなど工夫をしてほしいこと
7) 定形型サービスからもっと心のこもったサービスをしてほしいこと
ただ単に料理をテーブルまで運ぶだけのサービスはサービスではない、もっとホスピタリティーがあるサービスの質の向上
8) 生活者の種々のライフスタイルに合わせた選べる店がほしいこと
今後高齢化社会は益々進捗していくことを配慮すれば客層、年齢層に合わせた店あるいは客層、個別ニーズに適合する店
9) 常に店オリジナルの美味しさの追求をしてほしいこと
専門店の飲食店であれば、美味しさを店のこだわりとして追求してほしい、店のオリジナルティーを明確にすること
10) 日常の場とハレの場の棲み分けをはっきりとした店がほしいこと
低価格高付加価値の日常的の店と特別な日のためのプチ贅沢範囲での店の棲み分けがほしいこと

つまり今後の飲食店の企画業態づくりの在り方とは、いかに生活者のニーズやライフスタイルを分析し、支持されるための業態コンセプトをしっかりとコンセプト化することであり、これまでのように企業側の自己満足や生活者無視の企画に終始してはならないことは言うまでもないことだ。

今何故に店の前に連日行列を成している繁盛店もあれば、閑古鳥が飛ぶように空席が目立つ店が目立つ理由は、いわゆる時代の変化に視点をおいていないことの結果であることを忘れてはならない。つまり飲食企業の原点の返り、飲食店とは誰のために存在しなければならないかなど自問自答すべき時代にきている。

 

 

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