2014/10/01「マクドナルド大国崩壊の理由と今後の活性化の方向性を探る」

「マクドナルド大国崩壊の理由と今後の活性化の方向性を探る」(竹谷稔宏)

既存店売上高、12カ月連続で前年を下回ったという。マクドナルドの迷走ぶりがあまりにもひどい状態が続いている。この不振の原因を分析してみると大きく3つの原因が見えてくる。いかにその要因内容を生み出した経緯と現状を打開するためのポイントを模索していこう。

不振要因-1飲食店の原点(高品質料理の提供)を見失ったシステム優勢主義の落とし穴。2000年メイドフォーユー(ゲストから注文をもらってから製造する)へのシステム変更の反動

これまでメイドフォーユー(made for you)に変わる前の調理提供システムは、あらかじめ(時間帯繁忙予測し)製造したハンバーガー類をウォーマーで温めて提供していたものの、このシステムは、ホールディングタイム(保温しておく限界基準約10分)を経過したものは廃棄という仕組みを日本上陸以来貫き通してきたシステムであったが。

しかしこのシステムの問題点は、廃棄ロスが多く約70%の廃棄ロス(約1店50個)を毎日廃棄していることになり、全店の廃棄ロスの金額は膨大なものになり、経営の効率化図るためのシステムとして米国の仕組みへの転換を図ったものがメイドフォーユーであった。

そのシステム変更当時は、マクドナルドの経営にとっては画期的なことであり、サービススピードはこれまでのシステムの培1分の提供時間を要するものの、これまでの膨大な廃棄ロスを配慮すれば、経営側にとってはとても素晴らしいシステムに思えたに違いない。

しかしこのシステムは、マクドナルド側にとっては素晴らしいシステムであっても、ゲストにとってはメリットがその最大限に生かされているとはいえず、むしろその逆にこれまでの商品よりも「まずい」ハンバーガーを食べさせられる仕組みへと改悪になってしまったことに気づかなかったことだ。

メイドフォーユーのシステムとは、注文をもらってから全ての素材を調理し製造するのではなく、あらかじめ時間帯予測に合わせて各素材(バンズ、パティ、フィッシュポーション、チキンなど)をオリジナル開発のウォーマーに保温しておき、注文ごとにその素材(パーツ)を組み立てるといったものであり、ともすると各パーツのホールディング状態や廃棄限界の素材のハンバーガーを提供されたゲストは、品質の悪くまずいハンバーガーの提供を受けることになること(ウォーマー機能とホールディングタイム設定のあまさが品質低下に繋がっている)に商品の品質の大きな劣化というブレを生じることになった。

このシステム導入そのものは、決して否定するものではなく、問題はハンバーガー類の品質低下を引き起こす可能性がある不完全なシステムを導入したことに、品質低下という大きな生活者の品質不振をもたらす要因のひとつになったことは否めない。

いわゆる時代のニーズは「低価格高付加価値」であるのに対して「低価格低付加価値」という仕組みへとシステムの改悪したことや顧客ニーズを無視した大きな要因がここにあることを忘れてはならない。

不振-2:時代の生活者ニーズに対応できなかった身勝手な経営思想の失敗。

「ハンバーガーはまずく遅いという不信感を誘発」

ハンバーガーの大幅に低価格路線をひた走った際には、鳶鳥を落とす勢いで低価格路線へ追髄するバカな企業はもはやなくなっていた。いわば低価格路線はマクドナルドに大きな売上貢献を生み出す戦略になったことは事実である。しかしこの低価格戦略はしばらく続いたものの、いつの間にか商品に対する付加価値という視点の信頼は徐々に失われていくことに気が付かない(自己陶酔状態)。

その現状やひずみは顕著に表れてくることになる。繁忙時には長蛇の列になり、商品の提供時間もスピードは失われいつの間にか遅延が常習化するようになる。それでなくともこれまでの商品より低品質且つ遅いサービス提供では生活者にとってはその信頼も付加価値もうれしいものではなくなってしまうことだ。

低価格戦略の成功は、次々に低価格新商品を生み出し、そのしわ寄せはシステムの混乱を及ぼすようになり、その低価格路線の魅力とサービスの低下は客数減少という事態を引き起こすことになってしまう。

低価格戦略の成功は、客数を多く集客し回転率を上げることで成果を生み出すものであったものの、その悪影響は客数減少、売上不振という悪の逆スパイラルへと落ち込んでいく。

その客数減少、売上不振に慌て新しい戦略として低価格路線から逆の目先戦略の高価格路線へと大きく舵を切り替えることになるが(低価格商品をそのままにして)、いくら高価格の商品を投入しても(これまで低価格商品に魅力を感じる客層に対し)、高価格の商品を購入する客層の集客ができなく、客数減少、振り上げ不振の悪循環に突入している現実がここにあることだ。

不振3:コンビニエンスストアの品質に負ける不完全システム導入の過信

生活者の味覚や品質レベルの高さの誤算

メイドフォーユーというシステムは、利用者のためのものであったはずが(本来生活者のためではなく)、現実にはマクドナルド側の経営効率を上げるため視点に偏ったシステムとして導入されたことの改悪は大きく品質低下を齎らしたことだ。

「よくマクドナルドの商品よりコンビニの方が美味しい」という生活者の反応が目立つようになってきた。いわば、マクドナルドの競合はコンビニエンスストアのFF商品の高品質に負けてしまっているという現実であろう。その現実が顕著になった一つとして、コーヒー1杯の品質のレベルは圧倒的にコンビニエンスストアに負けていることだ。その他のサンドイッチやファーストフード商品にしても同様に、マクドナルドで低品質の商品を購入するよりも、コンビニで朝食を購入する客層が増加していることも大きなマクドナルドの客数減少を引き起こした要因の一つであろう。

つまりコンビニの商品に対する味への探求心は徹底したものがある。商品を店に陳列し時間が経過してもより美味しい商品を提供するという徹底的な品質分析の上に商品が完成しているのに対して、マクドナルドのメイドフォーユーは、曖昧且つ品質重視ではなく、ロス削減経営重視の思想に偏った思想が商品の付加価値低下を招き、商品への信頼を失ったことは大きな誤算があることだろう。

これまでのマクドナルドの経営不振、衰退への経過と経緯を簡単に説明したが、この現実をマクドナルドはどのように打開し、マクドナルド大国復活を図っていけばよいのかを検証していこう。

改善の方向性/飲食店の原点思想に戻れ

メイドフォーユーシステムの見直しの徹底/もっと商品保温維持科学する研究を

まずマクドナルドが現在の生活者の支持されていないことの認識を認めることであり、時代のニーズに適合していない商品提供をしていることを改善しなければならないことだ。

メイドフォーユーシステムは、ともするとすごく完成度の高いシステムという誤解をしていることだ。そのシステムは。前述しているようにハンバーガーの各パーツをあらかじめ保温しておき、注文ごとにアッセンブリ―し提供するというシステムであるものの、各パーツの保温状態は本当にホールディングタイム限界まで高い品質を維持できるシステムであるのか。

そこに決定的なシステムの不完全さの誤解がある。つまりホールディングタイムの限界が長ければ長いほど、素材の経時劣化は進行していることを忘れてはならない。つまりホールディングの限界は、常に同レベルの商品を提供しているのではなく、よいタイミングで提供している商品と廃棄寸前の商品も提供してしまうという曖昧な品質管理の商品を提供していることにシステムの不完全さがあることだ。

以下再検証する項目を挙げよう。

1)再度保温機器の保温状態の研究を進めること/商品温度、味覚、触感、シズル感の評価基準をしっかりすること

2)素材を調理後、本当に何分までが限界線であるのか味覚テストし再認識すること/

現実は各店舗レベルでの商品劣化は激しく品質低下を招いていること

3)保温機器の保温精度をあげること

4)ホールディングタイムの限界を再認識すること/出来立てのハンバーガーとメイドフォーユーの商品の味覚テスト

5)繁忙時とアイドル時のメイドフォーユーのシステム改善を図ること/アイドルタイム時は、イートインの場合、全ての素材を調理し出来立ての状態の商品提供できるシステムに変更すること

6)低価格高付加価値へと経営思想の変革が必要であること/「安かろう、まずかろう」という思想はフードビジネスでは通用しない時代へ突入している現実を理解すること

 

競合他社に勝つための高い品質向上への努力と研究実践へ

これまで積み上げてきたシステムを否定し、見直すことは企業にとっては、とても勇気のいることであり、なかなかその改革に取り組むことができないことが現実であろう。

しかし現実の問題点を検証し、V字回復した企業は数多くあることの現実を配慮すれば、まずは原点回帰することであろう。過去の栄光は過去の成果、結果であり、現実の生活者の支持は、客数減少、売上不振ということの認識を認めることである。

原点回帰するための原点行動は、美味しい商品を提供するシステムの再構築であり、他社にはない独自の美味しい商品を開発提供するシステムを検討することだろうし、

高い商品レベルの開発ができれば、生活者への来店誘導やチャレンジマーケッテイング戦略を打つことはさほど難しいことではないはずだ。

もはや過去の栄光に浸ってはいられない厳しい現実を直視し、高い品質レベル提供の根本的見直しを図ることが大切であろう。むしろドラスティックなシステム改造や変革を余技されない時代に突入していることを自覚することを忘れてはならない。「一度失った信頼を取り戻すことはなかなか難しいことであり、原点回帰することを願ってやまない。」

 

 

 

 

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