2017/06/01外食業の破壊的インベーションとは何か(竹谷稔宏)

2017/06/01外食業の破壊的インベーションとは何か(竹谷稔宏)

この破壊的イノベーションとは、イノベーションモデルの1つで、確立された技術やビジネスモデルによって形成された既存市場の秩序を乱し、業界構造を劇的に変化させてしまうことであり、ハーバード・ビジネススクールのクレイトン・M・クリステンセン(Clayton M. Christensen)が提唱したものである。

一般的に競争市場では製品は技術(労働力・資本・原材料・情報などの経営資源を投入して、より価値の高い製品・サービスを生み出すプロセス全般を意味する) 進化を続け、新製品になるごとに性能を向上させていく。そうした中で既存製品に比べて性能が低いながら、低価格・単純・小型・使い勝手がよいなどの特徴を持ち、既存市場の顧客とは別の顧客から支持される技術革新が行われることがあることだ。これがいわゆる「破壊的イノベーションである」。

最近の傾向としてこれまでの外食経営理論では考えられない利益構造改革を打ち出している類似的イノベーション思想を利用した飲食企業がある。つまり例を挙げるならば、居抜き物件に徹底的にこだわり、居酒屋を展開するファイブグループや串カツ田中という企業は、これまでの外食概念や常識を打ち破ったところにその成功のポイントがあったといっても過言ではないだろう。
この「経営手法」とは、まさにこれまでの「一般価格と付加価値の関係」の大常識を大胆に打ち破ったところに活路を見いだしたイノベーション手法の一つがあることだ。
勿論これまでも居抜き物件や低投資で店舗展開に成功してきた企業は数多くあるものの、従業員やスタッフの定着率も高く、人手不足という問題を感じないアルバイト・パートに人気の企業であることにその企業力があることであろう(魅力ある企業づくりの成功)。

勿論、飲食経営の基本的を逸脱した理論を展開しているのではなく、徹底的に投資コストダウンに徹していることが成功の根底を支えていることを理解しなければならない。

よく勝てば官軍という言葉(何事も強い者や最終的に勝ったものが正義とされることのたとえ)の如く、串カツ田中の急速的低投資展開やファイブグループの飲食店(業種・業態)の多業態戦略(次々飲食店を発信していること)は、常識を打ち破ったところに成功のヒントがあることである。

串カツ田中

つまり外食業に置き換えると既成概念を打ち破るイノベーション手法は数々あることを理解しておかなければならない。これまで大手企業が培った既成概念に習って後発企業は伸びてきているという現実を配慮すれば、冒険的飲食経営はできないというのが本音にあるだろうが、大小企業に関わらず、企業として取り組まなければならないことは、まさに破壊的イノベーション思想に学び実践することにあるだろう。

決してこれまでの既成概念にこだわらないことやできないという概念からスタートしても新しい戦略は誕生しないことだ。まずは既成概念という呪縛から思想や考え方を変えることの柔軟性を持つことだろう。物事の見方は一方方向からではなく、360度から見るという手法もあることを忘れてはならない。

  ファイブグループ

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