2015年09月01日 「仕事の意義を説く」

2015/09/01京セラ・KDDI設立。日本航空では会社更生法の適用から2年で営業利益2000億円というV字回復をやってのけた新時代経営リーダー稲盛和夫の経営哲学「人を生かす」に学ぶ/外食業界に生きる人間として「仕事の意義を説く」

夢の実現や高い目線の達成には、ときとして現在能力以上のことに挑戦していかなければなりません。零細企業だった創業当時の京セラが取れる注文といえば、他社が断った技術的に難しいものばかりでした。それでも私は、その注文を「できます」と言って引き受けてきました。

客席から戻ると、私はすぐに幹部を集め、次のようなことを話しました。「この製品の用途はこうだ。開発に成功すれば、さらにこういう展開が考えられる。今後の電子工業界のその発展にも大きく貢献する製品だ」

もちろん、当時の京セラにそんな技術や製造設備はありません。そのようななかで、私はその製品を開発する意義、その製品にかける夢を一生懸命説いたのです。

「技術も設備もないのに、どうしてつくるのか」と、従業員の顔には書かれています。その顔が「よし、やろう」となるまで、私はとことん話をしました。従業員の気持ちを「どうしてもやり遂げるのだ」という気持ちにまで高めなければ、開発など成功するはずがありません。「何としても成功させる」と強い意志を持ち、努力を続ければ、必ず道は開ける。従業員にそのような思いを持って仕事をしてもらうために、仕事の意義を、自分のエネルギーを相手に注入するぐらいの熱意で説き続けるのです。

意義や目的に納得できれば、従業員に自ら燃えて、その高い目標にチャレンジするようになります。

飲食業界においても経営側の思い入れややる気が従業員に浸透した場合の組織力とは、果てしないちからになることがありものであり、高い目標に向かってスタッフ同士や部署の垣根を越えて社内が一体になりその目標を達成するために力を注ぐという雰囲気になることは、まさに成長している企業の特徴でもあることである。

むしろ飲食業界の場合には、創業者が若くして休息に成長する企業も少なくなく、トップの仕事に対する意義や思い入れを説くことは、非常に大切なメンタルの起爆剤であり、従業員をやる気にさせる特効薬でもあることである。

もちろん経営側の意識や仕事に対する姿勢や企業の目標がしっかりしていなければ、部下はどのように立ち回っていいのかわからないことになるだろうし、トップが仕事に対する意義を説き続けることは非常に大切なことであることを忘れてはならない。

トップ側が高い目標を持ちその目標に向かっている力が弱まってしまえば、何事も成功しないことになり、その高い目標を達成することができない。やはり企業とは、経営のトップがしっかりとした仕事へのビジョンやる気を常に高めていかなければ、組織や従業員は動かないものであり、企業が大きくなろうとも仕事への意義を説き続けることこそ、経営側に与えられた責務であることを理解しておかなければならない。