2015年12月01日 「従業員を惚れさせることができるか」

2015/12/01京セラ・KDDI設立。日本航空では会社更生法の適用から2年で営業利益2,000億円というV字回復をやってのけた新時代経営リーダー稲盛和夫の経営哲学「人を生かす」に学ぶ/外食業界に生きる人間として「従業員を惚れさせることができるか」竹谷稔宏

私は、京セラを創業しから、どうかすればこの集団を守り、発展させていくことができるのかと悩んできました。私を含め28名の従業員とはいえ、中学を卒業したばかりの方から、私の親父ほどの年齢の方まですべて、27歳の私が引っ張っていかなければならなかったからです。

「人たらし」という言葉があります。あまりいい言葉ではありませんが、人をたらし込むくらいに魅力ある人間性を持っていなければ、従業員がついてこなければ、事業を成功させることも、会社を大きく発展させることもできないのです。

とりわけ、大企業に比べれば、持てる資源が乏しい中小企業は、いかに従業員の力を結集させるかが、事業成功のカギとなります。一般に中小企業の経営者の方は、「優秀な人材がいないので、うちの経営はうまくいかない」と考えがちです。

しかし中小企業の場合、持てる資源は人しかないのです。今いる従業員の力を最大限に引き出し、事業を成功させていかなければ、会社を伸ばしていくことなどできません。そのためには、何よりもリーダーが仕事の面でも、人間性の面でも信頼され尊敬されることです。

特に飲食業界の場合では、まさに上司が部下に対する信頼を得なれば、思うように動いてくれないものであり、店の売上数値への影響は顕著であることである。勿論、現場だけではなく、飲食店を統括する本部組織も同様に、数多くのスタッフが専門職として働いていることを配慮すれば、各個人の役職の立場こそあれども、結局は人間関係がうまくいかなければ、組織はうまく機能しないことを理解しておかなければならない。

また役職の立場によっても様々な人格があるように、理想的には企業の上層部に求められることは、いかに人を動かすためのカリスマ性や人徳、信頼を持っていることが、従業員を牽引するための力になることはいうまでもないことである。

人間関係や信頼を部下から得ることは、貴方自身に人間としての魅力や信頼できるスキルがなければ、多くの部下を動かすことができないでしょう。そればかりではなく、部下を愛する気持ちがなければ、その逆に部下から愛される、慕われる上司には決してなれないことを忘れてはならない。勿論、部下に慕われるために、部下を甘やかせるのではなく、常に愛情ある叱咤激励をすることが大切であろう。

いまやただ単に部下の仕事が指示通りにしかないから言って、激を飛ばすだけでは部下はついてこないものであり、「男に男が惚れると」(生き方に惚れる場合が多い)という言葉あるごとく、むしろ男女問わず慕われるようになる努力を怠らないことや愛情を持った上司になることこそ、人を動かす力になることを理解しておくことであり、いかに人間としてあなた自身を部下に惚れさせることが大切であることを忘れてはならない。