2016年04月01日 「振服させる他に人を使う道なし」

2016/4/01「振服させる他に人を使う道なし」京セラ・KDDI設立。日本航空では会社更生法の適用から2年で営業利益2,000億円というV字回復をやってのけた新時代経営リーダー稲盛和夫の経営哲学「人を生かす」に学ぶ/外食業界に生きる人間として「振服させる他に人を使う道なし」竹谷稔宏

「私自身の人格を高め、尊敬一身に受けるよう心の錬磨に努めたい」これは大変立派な考えです。やはりトップは、人格を高め、社員から尊敬を受けられるように人物でなければなりません。

若くして社長になられたわけですから、お父さんの時代からの幹部の人たちなど、会社にはあなたより年を取った方がたくさんおられると思います。「その人たちは人間的にもいい方ばかりなので、自分が社長になることを抵抗なく、問題なく受け入れてくれた。非常に幸せです。」とおっしゃいましたけれども、それはお父さんの会社の治め方がよかったからだと思いします。一般社員も幹部の人たちもお父さんを尊敬し、信頼しておられる。

そのために、「あなたが世襲で後を継ぐのは当然だ」と皆さんが思っておられた。だからたいへん歓迎して、何の抵抗もなく受け入れてくれたのだろうと思います。

お父さんが幹部の人たちから信頼され、尊敬されていたから、スムーズにあなたの社長就任を受け入れてくれたのですが、貴方自身がどうなのか。つまり、もしお父さんがいなかった場合、あなた自身も「今からでも人格を高めていき、尊敬されるようになりたいと」と言っておられる。是非そうしていただきたいと思いします。

高い給料を払って、貴方が社長として命令をすれば、人は従います。しかし、それはうわべだけであって、本当に振服して、この社長のためなら頑張ろうという気持ちにさせるのは、まさにあなたの人物としての器量にかかっているのです。人格が立派であることが大事ですから、是非人間をつくってください。

外食業界においても、創業者を受け継いで社長になるというケースは、非常に多いことであることだろう。但し創業者が親族である場合には、同様にその思想や経営姿勢を継承していかなければ、なかなか組織を動かしてはいけないことである。

むしろ創業者の経営姿勢や思想を二代目として長く継続していくことが大切であり、決して傲慢になってはならない。若くして社長になるということは、人間性を自らか磨かなければ、部下やあなたを支えてくれる周辺に人からの信頼を得ることはできないことである。世の中にはよくワンマン社長や傲慢な社長はたくさんいるだろうし、しかしそれでうまくいく会社もあれば、残念ながら社員が辞めていってしまう会社もあるだろう。

つまり会社の大きさに関係なく、会社組織を動かすのは、人であり、人を大切にしない会社は成長しない、うまくいかないという定説があることは周知の通りだろう。会社は人、もの、金がなければ、成長し続けることできないといわれているが、その3つの「人・もの・金」のバランスが崩れてしまえば、当然のことにうまくいかないケースは多々あることを忘れてはならない。

経営者に大切な資質とは、人を大切にし、部下や周辺の人に信頼されることであり、常に自己研鑽を怠ってはならないことであり、常に自己を磨く努力を怠ってはならないことだろう。人格を高め社員から尊敬を得られる人間になる努力をすることこそ、うまく会社経営していくための一歩であることを認識しておくことだろう。

いわば人を大切にして社員に尊敬されなければ、誰もついてこないということであり、人望があればこそ、人間的に大きくなれることを忘れてはならない。