2016年06月01日 「率先垂範 するトップのもとでこそ人は育つ」

2016/06/01京セラ・KDDI設立。日本航空では会社更生法の適用から2年で営業利益2,000億円というV字回復をやってのけた新時代経営リーダー稲盛和夫の経営哲学「率先垂範するトップのもとでこそ人は育つ」に学ぶ/外食業界に生きる人間としてどのように生きるか(竹谷稔宏)

「ワンマンではダメという言葉に耳を傾ける必要なし」「何でものかんでもやるワンマン社長だから、人が育たないのです」とよく言われます。コンサルタントは、みんな「人を育てるにはもっと仕事任せるべきです」と言うのです。それを聞くと「なるほど」と思って非常に常に悩ませる、しかし、私は「それはナンセンスだと」断言します。それは自分で経営したことがない人が言う言葉です。経営者はそんな悠長なことは言っていられないのです。社長が怠け者で働きたくない、なるべく部下に任せて、自分は遊んでいたいというならば話は別ですが、そういうタイプの社長がいいのかというと、そうではないはずです。やはり中小企業、中堅企業の場合には、社長自身が先頭を切って仕事をすることが必要です。

社内から「あなたが何でもかんでもやるから、人が育たないという声が出でくることもあります。

しかしそんな頼りない社員なら育たなくてもよいのです。バリバリやる社長の尻からついてきて、見まねで社長と同じぐらいに仕事ができるような人間が育ってくれなければ意味がありません。能力ある社長がやらずに部下に任せて、頼りない部下が何とかやっているというのは、育てたうちに入りません。

今、業界で地元ナンバーツーである会社をナンバーワンにしたいのですから、営業の線でも一騎当千の猛者を育てなくてはなりません。そのために社長がバリバリ仕事をして我々に続けと号令をかける。そうして社長に負けないくらいの営業力ある人間が育ってこなくてはならないのです。

外食業界においても同様に創業者のワンマン経営で成長してきている企業は多々あることであり、同様にワンマンであるからこそ、企業を牽引していく力になっていることは疑う余地のないことであろう。

しかしどうしても組織が大きくなればなるほど、社長が一線から外れて後継者を育てるという風潮もあることも確かである。またそうすることによって企業パワーを増し成長している企業も少なくない。

勿論、企業が大きくなろうとも、社長が企業の第一線で牽引者となって存在していることは、大変に素晴らしいことであり、少なからずとも、社長が第一線で会社を牽引していくことはダメというものではない。

但し、企業のスタッフや経営陣に社長の立場を継承していく人材がいれば、その立場や権限を委譲していくことは、外食

業に関わらず、必要不可欠に思想であると思う。

特に外食業界は、創業者が会社を牽引して大きくしていくことのケースが多いだけに、一概に社長はワンマンでもよいと思う。但しスタッフや部下の意見に耳を傾け、部下を率先し育てることこそ人は育つことを忘れてはならない。